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香料植物の知識

オリーブ モクセイ科 Olive(Olea europaea)

オリーブ

オリーブは、モクセイ、ヒイラギ、ジャスミン、ライラック等と同じモクセイ科の常緑樹で、もともとは野生ですが、紀元前3000年頃にギリシャ・スペイン・イタリアなど中近東一帯で栽培されるようになったと言われています。(最初はナイルデルタ地方と、ギリシャ領クレタ島と思われる)アメリカに入ったのはヨーロッパ人のアメリカ上陸と同じと言われており、正式に栽培をみたのは1769年サンデニゴで始まり、今はカリフォルニアが栽培好適地となっています。

オリーブの枝は、『旧約聖書』の「神が起こした大洪水のあと、陸地を探すためにノアの放ったハトがオリーブの枝をくわえて帰ってきた。これを見たノアは、洪水が引き始めたことを知った。」との一節に基づいてハトとともに平和の象徴とされ、又、ギリシャ神話では、オリーブの銀色の葉が女神・アテナから霊力を与えられ、オリンピックの勝者に野生のオリーブの葉で作られた冠が与えられました。以来、オリーブは自然と人のふれあいをもたらす美と平和のシンボルとして「平和の木」とされています。
国際連合の旗、イタリアなど幾つかの国の国章や国旗、などに使われ、香川県の県の木、県の花、に指定されています。
現存する世界最古のオリーブは、キリストゆかりのイスラエルのゲッセマネ庭園にある八本の樹であり、キリストとの関わり合いが深い「聖木」とされています。

我が国では、1860年代にフランスから取り寄せたオリーブの苗を神奈川県横須賀の地に植えたのが最初とされています。この木は残念ながら現在残っていません。現存する最も古いオリーブの木は1878年(明治11年)パリ万博の日本館長前田正名がフランスから持ち帰ったといわれる神戸の湊川神社の境内の樹と、翌1879年(明治12年)に神戸温帯植物試験場(神戸オリーブ園)に植えるためにイタリアから苗木を導入した2000本のうちの数本が兵庫県加古川の宝蔵寺とに残っています。

小豆島のオリーブ

小豆島には1908年(明治41年)にアメリカから導入されたオリーブが根付いて2008年で100年になりました。
小豆島での当研究所での栽培品種は

  • ・ミッション種(テーブルオリーブス用と油用の兼用)
  • ・マンザロニ種(テーブルオリーブス用)
  • ・ルッカ種(油用)
  • ・ネバディロ・ブランコ種(油用、及び受粉樹―開花期間が長く花粉が多い)

小豆島のオリーブの花の開花は通常5月下旬から6月上旬、6月末頃実がつき、7月中旬頃から内果皮が固くなり核になり始め、9月下旬から11月上旬まで主として食用種、12月上旬頃には油用種を中心に、それぞれの種別に収穫されます。

オリーブの成分

オリーブオイルの成分の約85% が不飽和脂肪酸です。そのなかでもオレイン酸(C18-1)が75~80%含まれているのが特徴です。さらに微量ながら、ビタミンE、スクアレン、ビタミンA、ポリフェノール、クロロフィル、ミネラル類などが有効成分として含まれています。
不飽和脂肪酸がたくさん含まれているにもかかわらず、植物油の中で比較的安定した性質の油と言われるのは、1価不飽和脂肪酸のオレイン酸が主成分だからでしよう。

美容用オリーブ油

オリーブ油のもつ素肌美を保つ美容効果は、4000年以上も前から認められており、かのクレオパトラも頭、顔、身体はもちろんのこと足のつま先まで毎朝全身にオリーブ油を塗りこみ、一日の終わりに、そのオリーブ油が落ちるまでナイルの川で水浴していたと言われ、肌がきめ細かく、いっそう魅力的に若さを謳歌したのはオリーブ油とナイルの水にうたれたからだとされています。全身美容はオリーブ油とクレオパトラが創始者です。
このように、オリーブ油はたいへん高価な香油として男女を問わず愛用されてきました。

良質なオリーブオイルは、母乳の脂肪に最も近いオイルと言われています。さらに肌の表面を保護している皮脂ともよく似た組成なので、角質に浸透・保持されやすく、肌の保護・保湿に優れた効能をもっています。また、シミ、しわなどの原因となる紫外線や乾燥から肌を守る働きも認められています。
オリーブは、実だけでなく、葉の部分にも体内の活性酸素を消去する作用や、抗炎症、抗アレルギー、皮膚の老化防止、メラニン抑制作用などがあることも認められています。 

アロマガーデンオリジナルスでは、絞りたてのオリーブ油に含まれている、肌に刺激となる微量の成分だけを取り除く処理を施した、安心・安全を基にしたオリーブオイルを化粧材料に使用し、オリーブの効能を最大限に活用しております。

 

ゼラニウム フクロソウ科・ベラルゴニウム属 Geraniaceae (pelargonium)

ゼラニウム

一般的にゼラニウムというと、四季を通じて咲く観賞用の園芸植物として認識され、植物分類上、フクロソウ科のフクロソウ属も含まれて総称されているため、品種が非常に多くあります。
名前の由来は、種子がゲラノス(=ギリシャ語のつる)のくちばしに似ていることからと言われています。
その中で精油として使用されているゼラニウムは、ペラルゴニウムの品種改良種で母系植物はp.graveolensであり、精油を得るための種は、p.Graveolens(ニオイテンジクアオイ)、p.rosrum、p。Radula、p.capitatum、p.ororatissimumv、p.fragrans、p.terebinthinaceum等が知られています。

ゼラニウム精油を得る目的での栽培は、19世紀初期にフランス・グラース地方で始まり、1880年頃インド洋のブルボン島(現在のレユニオン島)に伝えられ、現在も世界で最も重要なゼラニウム生産地となっています。

日本のゼラニウム

日本でのゼラニウム栽培は、当研究所の祖・曽田政治氏の手によってなされたものです。
その軌跡は

1941年、静岡県由比、長野県御代田で試験栽培を開始。(デンチキュラタム種)

1942年、鹿児島・開門岳の山麓に直営農場を開設し、日本初のゼラニウム企業栽培にのりだす。しかし、第二次大戦の影響で香料栽培は継続不可能になったが、母株保存に努め、戦後の栽培再開に備えた。

1947年、戦後、栽培を再開。鹿児島農場の規模を拡張、周辺農家にも栽培を委託する。

1951年、栽培に適した地を調査した結果、台風被害が少なく、主産地レユニオン島の気候条件に近い条件から瀬戸内海の島々が候補とし、1953年小豆島農場を開設し、本格的に瀬戸内での栽培を始める。

当時栽培していた「デンチキユラタム種」は、精油の収率こそ本場「ブルボン種」を上回っていたが、香の質で若干劣っていたため、1954年「ブルボン種」の苗を入手。1957年従来種「デンチキユラタム種」をすべて「ブルボン種」に切り替え、品質的にレユニオン島に劣らないゼラニウム精油を生産できるようになった。しかし、収油率が低い為、品種改良を進め、香気はブルボン原種に劣らず、収油率の高い新品種「セト・ブルボン」を作りだすことに成功。

曽田氏による新品種「セト・ブルボン」の開発により、ゼラニウム精油の増産体制を確立していった。

その後、残念ながら天然香料の国内生産は、商業的採算の面から中断された。
しかし、天然香料国内生産30年の間に得られた技術的知見は「香り」の本質を見極めるメッセージとして現在に伝えられている。

当研究所は「セト・ブルボン」の母株を保存し、瀬戸内地帯における香料植物の伝統を保持し、香りを通じて文化の発展に寄与するように努めています。

 

ラベンダー シソ科・ラヴァンデュラ属 Lavender (lavadula)

ラベンダー

シソ科の多年生亜低木常緑樹。原産は地中海沿岸とされる。

主に、ポプリ・ハーブティー・アロマセラピー・観賞用などに利用され、春に紫や白、ピンク色の花を咲かせる様々な品種があり、紫色の花が最もポピュラーであり、Lavandula angustifolia(以前は L.officinalis)が有名。ラベンダー色とは薄紫色を意味します。

語源はローマ人が入浴や洗濯の時に湯や水に好んで入れたということから、ラテン語の「lavere」=洗う、という意味から由来すると言われています。古文書によると、1383年6月にヴァロア王家の家臣が、王のリンネルに良い匂いをつけるために、ラベンダーとローズを購入したと言う記録が残っています。

ヨーロッパ各地で盛んに品種改良が行われたことや、交雑種を生じやすい性質のために、品種名や学はかなり混乱しており、また植物学上の分類では同一品種であっても産地により抽出されるオイルの成分構成や香りが異なる事から、生産地名を加えて区分しているものもある。

主な品種

  • ・真正ラベンダー(英:Tall Lavender、English Lavender、学名:Lavandula officinalis Chaix.)
  • ・ラバンジン(英:Lavandin、学名:Lavandula x intermedia)
  • ・フリンジド・ラベンダー(英:Fringed Lavender、学名:Lavandula dentata)
  • ・フレンチ・ラベンダー(英:French Lavender、学名:Lavandula stoechas)
  • ・レースラベンダー・ラベンダー(英:Lavender Pterostoechas)
  • ・スパイクラベンダー(英:Spike Lavender、学名:Lavandula spica)
  • ・タスマニアンラベンダー(英:Tasmanian Lavender、学名:Lavandula angustifolia)
  • ・オーストラリアンラベンダー(学名:Lavandula dentata)

高温多湿は苦手で、西岸海洋性気候や亜寒帯湿潤気候の地域で多く栽培されている。

日本のラベンダー

日本では曽田政治氏により、1937年(昭和12年)にフランスから種子が導入され、1939年(昭和14年)より札幌市南区南沢で栽培が開始されました。その後、戦後、1948年(昭和23年)上富良野で委託栽培が開始され、1950年(昭和25年)ラベンダーの蒸留が開始されました。以降、富良野地方はラベンダー生産地として全国的に有名であり、上富良野町、中富良野町、ニセコ町のシンボルとして指定されています。

1960年頃までは、香料の原材料としての使用が主でしたが、魅力的な香りと色から観賞用としても人気を得て関心度と知名度が高まり、品種改良や栽培技術も進歩して現在では耐候性や開花時期に幅が広がっています。

 

アロエ アロエ科・アロエ属 Aloe(Aloaceae)

アロエ

アロエ科アロエ属の多肉植物の総称で、アロエ属全体としての原産地はアフリカ大陸南部、およびマダガスカルといわれ、現在までに300種以上が知られています。

日本への伝来は江戸時代、腹痛、やけど、デキモノなどの治療用の薬草としてキダチアロエが渡来し、以来、「医者要らず」と呼ばれて全国的に一般家庭でも栽培されるようになりました。当初はアロエの「ロエ」を漢字で音訳(当て字)した「蘆薈」の読みを変えた、「ろかい」と称されました。日本ではキダチアロエとアロエベラ多く、九州、瀬戸内海、伊豆、千葉など主に太平洋側に多く自生しています。


キダチアロエ(Aloe arborescens)

「木立ち」の名の通り茎が伸びて立ち上がり、冬に赤橙色の花をつけます。葉の外皮は苦味が強いが、葉内部のゼリー質は苦味はなく、昔から「医者いらず」といわれてきたように、葉肉の内服で健胃効果や下剤効果により便秘に効果があるといわれています。事実、キダチアロエの成熟した葉には、アロイン(主成分)、アロエチン、アミノ酸類、ビタミン類、多糖類、ミネラル類、等々多くの成分が含まれており、これらの成分には、殺菌、消炎、静痛、代謝促進機能、皮脂分泌の調整、等が認められています。ドイツの薬用植物の評価委員会コミッションEによれば、ゲル状物質(葉の中央にある柔組織に存在する粘性の物質)の外用は、痛みや火傷の回復に対しての有効性が示唆されています。

なお、キダチアロエはワシントン条約によって輸出入は制限されています。キダチアロエ・ケープアロエ以外の観葉植物として出回っているほとんどのアロエには、薬効となる成分は含まれていません。

アロエベラ(A. vera)

アロエベラは食用として外皮を剥いたゼリー質が使用されヨーグルトに入れるほか、刺身などで食されています。ほぼ全種がワシントン条約で保護されるアロエ属にあって唯一栽培種として例外措置されています。

 

ジャスミン モクセイ科・ソケイ属 Jasmine (Jasminum)

ジャスミン

モクセイ科ソケイ属の総称として「ジャスミム」と言い、世界で約200種類が知られています。ただし、ジャスミンと名の付く植物は多くの科にあり、本来のジャスミンとは系統の遠いものも多いです。

アジアからアフリカの熱帯・亜熱帯地方が原産で、ほとんどの種は白色、若干が黄色の花を咲かせます。いくつかの種では花は強い芳香を持ち、香料原料として使用される。

語源はペルシャ語に由来し、中近東から欧米では女性の名前としてもよく用いられる。それぞれの国や品種によりジャスミンの花言葉はいろいろあり、イギリス「温和・愛嬌のあること」、スペインジャスミン「官能的・快楽・肉感的」、フランスジャスミン(白い花)「無邪気・清純無垢」インドジャスミン「私はあなたについていく」など、又、香料の専門家によるとジャスミンの香水はエロジェッ="{肉感を刺激する"と言われています。

栽培の歴史は古く古代エジプトですでに行なわれていたといわれています。 ほとんどの種が観賞用として栽培されていますが、ソケイとマツリカの2種については香料原料として大規模な栽培が行なわれています。

ソケイは16世紀中ごろからフランスのグラースで香料原料として大規模に栽培されるようになり、現在ではエジプトやモロッコ、インドなどで生産されています。マツリカは中国南部、台湾、インドネシアなどで栽培されており、ジャスミン茶の着香などに使用されています。

日本のジャスミン

日本では、曽田政治氏の手により1961年(昭和36年)に台湾・台北市で抽出が開始されましたが、国内での本格的な抽出はまだ行われていません。

ジャスミンの花には幾つかの香気成分が含まれていますが、その中でもジャスミンの香りを特徴付ける主な独特な香気成分はジャスモン酸メチル=cis-ジャスモンです。cis-ジャスモンは、未だ工業的生産法は確立されておらず、自然の花から抽出し精製するしか方法が無いため、非常に高価です。香水やアロマオイルなどとして一般的に広く出回っているジャスモン酸メチル系の香料は工業的に生産された安ものです。

本当の芳香を持つ香料原料としてのジャスミンの原種子は、当研究所が保有しています。

日本での花期は7月から10月。昼間はしぼみ、夜間から開花し、毎日明け方6時になると開ききります。採花は開花のタイミングをみて早朝一気に行います。